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09/1/26 AVM04

入院中は色々な検査をした。CTスキャンは朝通院した病院と搬送された病院で2回、レントゲン検査、心電図の検査、MRI、視覚視野検査(AVMが視野に関する脳組織に近かったため)、そして脳血管造影検査。

CTスキャンやレントゲン、心電図といった検査は特になんでもない。所定の場所に行って(自分で動いてはいけなかったので、人生初院内車椅子移動だった)横になっていれば検査は終わる。
視覚視野検査も、暗闇の中で半円状の装置の前に座り、片目ずつどこの部分に光が見えたかを次々に答えていくもの。ただ、もし障害が発生しているとすれば、視野で欠けている部分があるはずなので、この検査はちょっともしもを考えると怖かった。

MRI。
すべての金属をはずして、大きな装置の中に入る。この検査を行う予定などがある場合は、ピアスや腕時計などをすべて外す必要があり、検査室内での移動も通常の車いすでは金属としてひっかかってしまうため、特殊な車いすに乗り換えた。
MRIは人によるかもしれないけど、結構つらい。不気味な金属音が20分〜30分近くなり続ける筒の中に入るわけだけど、正直耳心地のいい音じゃないような機械音が10数パターンなりの8ビートで続くため、気分悪くなる人もいるんじゃないだろうか。僕はテクノとかハウスが好きだけど、それでもかなり我慢できない音もあったりして、そのときはかなりストレスがたまった。早く終わってほしかった。


脳血管造影検査。

今回の入院における検査の最終目標地点。
まず、同意書が必要。いくつかの合併症が発生するかもしれないから。医師のほうから検査内容の概要と、起こりうる合併症について説明があるんだけど、若干精神的に参っていたので、あんまり聞いてなかった。でも、そうだったからこそ余計なことを考えずに取り組めたのかもしれない。

足の付け根の股に近い部分から、カテーテルと呼ばれる管を挿入し、脳の近くまで進めていく。脳の近くまできたら、造影剤という薬を脳に流し込み、その様子を撮影する。これによって、AVMかどうかというところの確定診断ができるらしい。検査前の食事は禁止。検査後の食事は可能。検査としての問題がなければ、即日退院。実際退院した。


足の付け根といっても、股に近い部分なので、下着はつけないで検査に入る。そこの大きな血管からカテーテルと呼ばれる管を挿入して頭の近くまで進める。患者としては、最初の付け根に行う麻酔が痛いぐらいで、カテーテルの挿入なんかは意識できない。点滴から注入している何らかの薬で頭がボーとしてるからかもしれない。とはいっても、検査中には意識はあるし、あごを絶対に動かしてはいけないという至上命令があるので、それだけは守らなければいけない。もし動かしたらどうなるんだろう?カテーテルが思わぬ方向に動いて血管を傷つけてしまったりするのかな。いずれにしても怖くて動かせない。

ぼーっとしてるときの感覚は、そう、深い壺のそこに自分の意識があって、そこから壺の出口を観ているような感じが近いかもしれない。もちろん壺の内側の暗さとかとかはないけれど、遠くに意識があるというのはこんな感じだと思う。

検査室というか手術室というかほぼ一緒に見えるんだけど、室内は心地よいジャズが流れてる。たぶんそのほうが患者も術者もリラックスして臨めるからだと思う。

脳に造影剤をいれる瞬間ははっきりわかる。0.5秒ほど意識がぶっとぶし、オレンジの光で頭の中がはじけとぶ。思い出してもあの感覚は気持ちが悪いし、やりたくない。そのときレントゲンで撮影をしている。

撮影が終わると、カテーテルを抜き出して、止血作業。このときも特別な感覚はない。ただ、足の付け根の血管からの出血を抑えるために、右の腰から股へ、左の腰から右の腰の下へガムテープみたいなもので十字にテープをするんだけど、当然毛の部分を巻き込む。後日それをひっぺがえすのが超絶痛かった。しかもテープは粘着性なので、退院して2日ぐらいはテープのねちねちがとれない。
そのあとさらに1kgほどの砂のおもしを置いて止血する。

検査のあとは、腰をまげてはいけないし、今回は右足だったから右足のひざを曲げてはいけない。これは次の朝まで守らなければいけない。ということで、検査終了後は自分で歩けないので、ベッドで検査にはいって、ベッドで部屋に戻る。起き上がってはいけないので、寝たまますごすことになる。そばの机からものがとりたければ、ナースコールするしかない。3時ぐらいに検査をしたんだけど、夜10時までは自力でトイレにいくことも禁止で、尿瓶。

やったことがなければわからないと思うけど、起き上がってはいけない、右足はずっとのばしていなければいけないはかなり辛い。意味もなく左足を屈伸させたりして気を紛らわしてた。
しかも、僕は寝るときに体をまるめて寝る癖があるため、寝ているときにうっかり曲げてしまう可能性があった。そのことを話すと右足をベッドにロープで縛ることになった。まあこれがあったからちょっとは眠れたというのはあったかもしれない。
が、根本的に以前の話であったように多部屋の他の人のいびきがうるさくてまともに寝られなかった。

少し怖い思いもした。

検査直後はまったく問題なかったんだけど、2時間ぐらいしたときに、ふとipodの曲リストを見ていて違和感に気づいた。
リストの一番上の曲名に焦点をあわせてみているときに、2つ目の曲名はわかるけど、3つ目の曲名はガラスに虹色を流しこんだみたいにぼやけてて見えない。
そのまま周りの景色を見てみると、両目にしても片目にしても、焦点をあわせたところの周りに円形上に虹色のものがみえてそこだけぼやけている。なんどまばたきしても、一旦目を閉じてみてもそれが治らない。

障害が発生したと思った。

すぐに生活のいくつかがもうできなくなることを考えた。
まずいまのようなSEは無理だろう。プログラミングをしないとしても、ドキュメント作成や校閲ができなければ、仕事にならない。車も運転できない。
まったく見えないわけではないにしても、部分的に上記のような状態だと錯覚を起こしやすくなるだろうし、まともに仕事なんかできるのだろうか。仕事ができなければ生きていけない。親に頼って生きていくにしたって、その親もいつかは自分より早く死んでしまうだろう。そしたらどうやって生活していくのか。もし親が同じように倒れたときにどうやって看病してゆけばいいのだろうか。

色々考えは巡るものの、まずは現状を伝えなければ。そう思い、ナースコールで看護師さんを呼び、事情を報告した。同じぐらいから急に頭が痛くてしょうがなくなってきた。

結果的にさらに2時間ぐらいしてから、虹色の円がうつる異常はなくなっていた。後日先生から聞いた話だと、AVMを持っている人は脳への衝撃にも弱く、今回造影剤を流したことによって、そういった症状がでたのだろうということだった。たしかにあの虹色は造影剤を投与した瞬間のオレンジというか虹に似ていた。

虹はなくなったが、頭痛が止まらない。普通にガンガン痛い。
かといって起き上がってはいけないので、右を向いたり左を向いたりして首を回したりしてみるが一向に晴れない。再びナースコールで看護師さんを呼び、事情を説明したところ氷枕を持ってきてもらった。

話は遡るけど、検査の前に看護師さんがやってきて足の甲から脈をとれる場所を探していた。どうも検査終了後にその部分から脈をとるのが目的らしい。が、当方は右足の脈はうまくとれるけど、左足の脈はうまくとれなかった。
結局しばらく布団の中で足を温めたうえで、さらに触診ではとれないときのためにドップラーという機械を用いて脈をとる箇所をマーキングしていた。このことがあったため、検査終了後は足元に湯たんぽを置いていた。

というわけで、足は温めないと脈がとれないので湯たんぽ、頭はガンガンに痛いので氷枕という、一件矛盾したものを置いていた。人間は面倒くさい。

別に足じゃなくても脈はとれるじゃんと思うかもしれない。最初は僕もそう思った。でも、今回の上の検査の合併症の中には、検査によってカテーテルを挿入することで、足先に血がいかなくなって壊死するケースもあるということだった。なので、多分これがあるから足から脈をとってたんだと思う。

そんなこんなでも、次の日は足も動かせるようになり、なんとか退院することができた。
出血の療養と検査としての入院はようやく終わった。

退院する前に今後のことを先生から聞いた。治療方法に選択肢があるということだった。
いまはそれを検討している。
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